どうも、中村司です!
成功者になるには、人々の先回りをすることも必要条件です。
今回は、「先見の明を持つものが成功する」ということについてお話ししていきます。
“You can’t just ask customers what they want and then try to give that to them. By the time you get it built, they’ll want something new.”
(消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。完成するころには、彼らは新しいものを欲しがるだろう。)
これはジョブスの有名な言葉の一つですが、このことを的確に物語っています。
では、どうやったら人々の考えの先を行くことができるのでしょうか。
身近に眠る資産に気付け!
例えば、アメリカの起業家、教育者であるティナ・シーリグは学生に対してこんな課題を出しました。
「手元の封筒に入った5ドルを、4日の期間の中で、封筒を開けてから2時間以内にできるだけ増やし、その方法をプレゼンしなさい。」
あなたならどうしますか?
学生たちの答えを見る前にちょっと頭をひねってみると楽しいですよ。
あるチームはありきたりな方法に挑戦しました。5ドルで道具を買いそろえ洗車サービスをしたのです。多少は儲かりました。
しかし、数百ドルの大金を儲けたチームは皆、5ドルに手をつけませんでした。あるチームはレストランの予約を入れ、その席を行列に並んでいる人に売ったのです。彼らは封筒に手をつけないことで、2時間という枠組みから抜けだすことに成功し、人々の予想を上回ることができたのです。
そして、特にその中でも、650ドルという最大の儲けを出したチームの行動はとてもおもしろいものでした。彼らは、自分たちが使える資源について徹底的に考えた結果、それは5ドルでも2時間でもなく、最後のプレゼンの時間こそが最も貴重な資源だと気がついたのです。そして彼らは、クラスの生徒を採用したいと考えている会社にプレゼン時間を買ってもらい、その会社のCMを作成し、上映しました。
彼らは自分たちにはかけがえのない資産があることに気がついたのです。
このように、身の回りに眠る資産の存在を常に意識し、それらに目を向けることは、先回りに関して大いに有益です。
先人の知恵を借りろ
また、江戸時代の俳人、松尾芭蕉は全く別のおもしろい方法を示してくれています。
“古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求むべし”
(昔の偉人が何をしたかという業績ではなく、何をしようとしていたのかという志を見極めて行動しなさい。)
僕たちは進歩するために古人の業績の力を借りることが必要です。
ただ、本をいくら読んでそれらを知識として獲得したところで、その人と同じことをやっていたら、その人以上のことを成し遂げることはできませんよね。
しかも、もちろん現代は過去とは社会の状況も全く異なるのですから、そのまま使える業績などはあまり無いかもしれません。
しかし、物事の核心をついた数々の格言が今も人々を導いていることを考えても、目に見える結果の根底に流れる考え方は時を超えて適用可能なのです。
難題に敢えて取り組む
誰の目にも明らかであるのに放置されている問題に本気で取り組むことで、人々の先を行くことができる場合もあります。
アメリカの実業家、投資家であるイーロン・マスクはおもしろいアプローチをとりました。それは、周知の事実ではあるけれども、誰も面倒くさがって手をつけない問題に取り組むという手法です。
彼がテスラモーターズやソーラーシティーで取り組んでいるのは、持続可能エネルギー普及への挑戦なんですが、環境破壊問題についてはほぼだれもが認識していて、その多くが持続可能エネルギーへの転換が必要なことも理解しています。
しかも、その解決策として100%電気自動車や太陽光電池というのは目新しいどころか、もはや言葉としてはそこら中に転がっているものですよね。
ただ、ビジネスとして成立する程大きな利益が出ないどころか、時に採算すら合わなくなってしまうことを理由に、誰もが大規模な参画を避けてきました。マスクはそこにあえて突っ込んでいき、テクノロジーの力と根気でビジネスとして確立してみせたんです。
彼はこの挑戦についてこう語っています。
「問題が目の前にあるのに誰も向き合っていない、と思ったからこの事業を始めました。」
このように、誰の目にも明らかであるのに放置されている問題に本気で取り組むことで人々の先を行くことができる場合もあることも頭に留めておいて下さいね。